アラサーザウルス

アラサーの自分を等身大に表現できる場所に出来ればと。続けばいいなぁ。

「ママの推しは教祖様」と「田園に死す」

こんにちは、アラサーザウルスです。

「ママの推しは教祖様」が気になり購入して読んでみました。

2018年のエッセイ漫画で母親が宗教にハマり一歩引いた主人公目線で書かれた漫画です。読み途中は「ジーザスキャンプ」の親や「A完全版」、と言った宗教ドキュメント映画を思い浮かべていたんですが後書き漫画を読んで「田園に死す」を真っ先に思い浮かべました。

田園に死す」って監督の過去を回想を映画化しようとはじまりますが、監督はそのままの過去を受け止めれず、過去の記憶を改変し、映画表現やストーリーで誤魔化そうとするんです。当時の少年とは別に今の監督が存在し第三者として見てる部分もあります。一つの作品として過去を昇華させようとします。ですが結局、過去、今の地元や母との関係から変えられないという何も整理出来ない現状維持のままの結末で映画が終わります。(私的超訳

この本は母を可愛く少女的に描かれています。主人公の目線は当時の物とエッセイ描いた時点の三者的視点。可愛く描くことで過去を改変しようとしますが、受け止め切れなかった部分が後書きの本来の母親なのでしょう。現実の母親と漫画の母を分けたのは変えられない、受け入れられない。第三者として見ようとしても家族、過去として付き纏う部分です。

それを作品として昇華させて行こうとする。だが受け入れられない部分は付き纏う。だから、「悪い母親」は蓋をし「良い母」と言う現実逃避を選んだ。だと個人的に思いました。

この作者は作品として面白くするために「悪い母親」を削ったんだと思います。悪い母親に関わる虐待や当時の自身の話を削り、現在の自分の視点の主人公にしたんだと思います。エンターテインメントとして昇華を試みたんだと個人的に感じました。

面白いエッセイ漫画でした。